真の予防歯科とは

9日からの連休2日間は、日本ヘルスケア歯科学会に参加しました。幕張ドルフィン歯科の米山です。
今回は、一日目に私も発表させていただきました。日本ヘルスケア歯科学会は、日本最大の予防歯科学会です。一口に予防歯科といっても、患者さんにとっては、意味が分かりません。
歯を虫歯や歯周病から守ることは、なんとなくおわかりでしょう。しかしながら、カリエスリスクという言葉が、独り歩きしてしまい、ややもすると誤解を生むことがあります。

そもそもリスクとは、疾患が発症する確率のことであって、必ずそうなるというものではありません。また、虫歯は多因子疾患なので、虫歯菌の代表であるミュータンス菌のみが原因ではないのです。患者さんの環境とくに食生活や唾液量、また経済的な背景、全身疾患の有無など多岐にわたる因子を総合的に診ていく必要があります。
もちろん術者がすることは、プラークコントロールなのですが、実際に患者さんが行動を変えていかなくては、話になりません。なので、心理学的なアプローチも必要となってくることは、容易にわかるところでしょう。
予防歯科とは、ただ単にメンテナンスを行う行為ではなく、その行為を通じて時間軸でプラークコントロールをするという意味があるのです。そのためには、個々のデータを初診時だけでなく、経過観察中においても取ってく必要があります。
つまり予防歯科とは、患者さんとの一生涯のお付き合いのできる歯科構築がかなめともいえます。