矯正歯科の本来の使命とは

年の瀬も押し迫ってきました。
幕張ドルフィン歯科の米山です。
取外し式の矯正をしている患者さんとかかわっていると、歯列不正になる原因を知ることが、よい治療結果を生むことにつながるという考えに至ります。
たいてい歯並びが悪い方を診ますと、口をぽかんと開けていることが多いことに気づきます。
その原因をたどっていくと、乳幼児期ににおける吸啜から離乳食といった、お子様に対する食育にあるのでは、と思うのです。
もちろん遺伝的な要因によって歯列不正になることもわかっていますが、それとともに後天的な要素を見逃すわけにはいきません。
特に吸啜は、口腔機能の発達に欠かせない役割があり、その後の離乳食をどのように与えていたかも問題となります。
赤ちゃんが捕食できるようなスプーンの使い方やその後、通常の食事になってからも噛みやすいものではなく、噛み応えのあるものを選択しているか などです。

そもそも食事は、生まれてから死ぬ直後まで続く生命の根源的なものです。
よく噛んで日本独自の旨味を感じながら、家族の団らんや気の置けない友人との会話になくてはならないものです。
そのようなことを考えると、口腔機能の育成から機能回復に至るまで、矯正歯科の役割は多いにあると思うのです。
ただ見た目を改善するためにあるのではなく、多くの人々が笑いながら食を楽しむ幸せを感じ、人生を豊かに過ごすことができるようにすることこそが、私の使命であると確信するのです。